症例

お子さまのむし歯、ほっておくと・・・?

お子さまの歯の健康はこれからの人生を大きく左右する重要な要素です。もしかして大人の歯に生え変わるから、大丈夫。と思っていませんか?しっかりとした治療をしておかないと、後から生えてくる大人の歯(永久歯)にも影響があります。重度のむし歯になってしまうと大人の歯が生えてくる邪魔になってしまったり、むし歯の感染が大人の歯を溶かしたりすることもあります。早期に抜かなくてはいけないところまで重症だと大人の歯が生える位置が変わってしまい、歯並びが悪くなってしまう原因になってしまうこともあります。

子どもの歯(乳歯)のむし歯は大人の歯(永久歯)と比べると歯の質が柔らかく、自覚症状があまりでないうちに大きく進行していることも多く、気づいた時にはすでに大きな虫歯になっていることがあります。見た目ではほとんどわからない歯の溝の中や、歯と歯の間は要注意です。ここらへんのむし歯は歯科医院でしっかりとした検査をする必要があるのです。例えば、レーザーを当ててむし歯を検査する器具や小児用レントゲンなどがそれに当たります。

(写真)

当院のお子さまの治療への考え方

むし歯治療は大人でも怖いです。お子さまはもっと怖いでしょう。
そうは言っても、お子さまが小さかったり、「怖がる・泣いてしまう」ということを理由に治療を行わなくてもいいというわけではありません。むし歯はある一定の段階を超えると、治療しないとどんどん進んでしまう「病気」です。
そのため、まずはお子さまとのコミュニケーションを大切にして、歯医者さん特有の音やにおいをなるべく少なくしたり、白衣や治療器具なども出来るだけ子どもに見えないようするなど、子どもの歯科治療ではとてもきめ細かな配慮が必要になります。もちろん治療が痛くないことも非常に大事です。当院では極力痛くない麻酔法を採用しております。(もちろん大人の治療も同じです)

万が一歯を抜かなくてはいけないような状態になってしまったら・・・場所によっては後から生えてくる歯が変な位置に移動してしまうリスクがあります。場合によっては本来なら必要なかったかもしれない歯ならび治療(矯正治療)が必要になるかもしれません。そうならないように必要に応じ「保隙」と言ってスペースを確保するような装置を入れることがあります。これによって後から生えてくる永久歯の位置異常を防ぎます。問題が起きても最小限の介入でトラブルを回避できた方がいいですよね。

お子さまが歯のケガをしてしまったら

小さいお子さまはよく顔を打ったり、お友達とぶつかって歯をケガすることが多いです。歯のケガの治療についても状況によってもさまざまです。

「歯が欠けてしまった」判断を間違うと、歯の神経が血が通わなくなって感染を起こしたり、逆になんでも神経の治療(根管治療)をしてしまうのも問題です。適切な治療を行い、時として定められた経過観察と治療しないといけない状況であるのかを判断することが大事です。

「歯が抜けた・グラグラしている・めり込んでいる」完全に抜けてしまったとしても、歯を捨てずに持ってきてください。時間が短ければ再び飢えて固定を行えばかなりの確率でくっついてくれます。

「口の中が切れて血がたくさん出ている」本来なら病院歯科(口腔外科)へ依頼をして処置してもらうこともありますが、当院では口腔外科認定医が切り傷や出血には迅速に対応させていただきます。

お子さまの予防歯科

子どもの歯(乳歯)は5歳半〜10歳くらいまでの間に全ておとなの歯(永久歯)に生え変わっていきます。大きな虫歯治療を行った場合には、永久歯の生え方やその後の歯並びにも大きな影響を与える可能性があります。
このようなことから、治療が終わった後も3~4カ月おきにメインテナンス(定期的なケア)をしていただくことがとても大切になります。

もちろん、一番良いのはむし歯ゼロで一生過ごすことです。そのためにはお子さまのときから、むし歯になりにくい食生活習慣と適切な口腔衛生習慣を身につけることは、生涯にわたる豊かな食生活・生活の質の向上を支えるうえでとても重要だと考えています。

むし歯予防には「おうちでやるべきこと」と「医院での予防処置」の大きく2つに分けられます。もちろん一番大切なのはご家庭での毎日の歯磨き習慣や食生活ですが、なにが正しい情報なのか専門的な内容も多いのでお口の衛生の専門家(歯科衛生士)に教えてもらうことが一番確実だと思います。
当医院では「おうちでやるべきこと」と「医院での予防処置」を組み合わせることで、より効果的に虫歯を予防する方法をご提案しています。

おうちでやるべきこと

  • 1日1回の仕上げ磨き(9歳くらいまで)
  • 1日1回はデンタルフロスを使う
  • 1日1回フッ素を使う(3歳まではジェル、3歳からは洗口)
  • 甘いもの(間食)を1日2回までに控える

いつまでむし歯予防を頑張れば良いのでしょうか?特に生え変わりの時期、10歳になるまでの期間が大事だと言われていています。その時期までは自分の歯ブラシに加えて、仕上げ磨きをしてあげた方がいいでしょう。そして歯ブラシと同じか、それ以上に大事なのはおやつやジュースを含む間食の回数なんです。一度食事をとるとお口の中が酸性になります。簡単にいうと歯が溶けている状態になります。そして唾液の緩衝作用という効果で徐々に中性に戻っていくのです。簡単にいうと溶けている状態から回復します。その繰り返しなのですが、糖分を含むものを食べ飲みする回数が多いと唾液の効果が追いつかずに歯が溶けて、むし歯菌がずっと活発に活動しやすい環境を作ってしまっているのです。3歳を過ぎたらおやつは1日1回の習慣を少しずつつけていったほうがいいでしょう。フッ素を使って歯の質を強化するのも有効です。

医院での予防処置

⬜︎はみがきチェックとトレーニング(正しい道具と磨き方、仕上げ磨きも指導します)

日々の歯磨きは、むし歯や歯周病を防ぐために欠かせません。
ただし、やみくもに歯磨きをするだけでは、歯垢を徹底的に取り除くことができないため、いずれむし歯になってしまいます。そのため、歯科医院でブラッシング指導を受けて、正しい歯磨きやお子さまに適した歯ブラシの選び方を知ることが大切です。当院では、毎日のセルフケアの質を高めていただくために、さまざまなアドバイスをしております。

⬜︎シーラント処置(歯ブラシで磨けない歯の溝を保護することでむし歯を防ぎます)

シーラントとは、食べかすが詰まりやすくて歯ブラシが届きにくい奥歯の溝を歯科用プラスチックで塞ぐ処置です。
乳歯や生え立ての永久歯など、むし歯になりやすい歯を守れます。

⬜︎歯科医院用高濃度フッ素で歯質強化(歯科医院でしか使用できない器具や治療薬で歯を強化します)

歯の表面にフッ素を塗り、歯質を強化する処置です。また、細菌の繁殖を抑えたり、歯から溶け出したミネラルを歯に戻す再石灰化を促したりできます。フッ素塗布には痛みを伴わないため、お子さまでも気軽に受けていただけます。

⬜︎定期メインテナンス(3〜4ヶ月に1回プロフェッショナルケアとチェックをします)

むし歯の有無のチェックに加え、歯のクリーニングをしてもらうのが大事です。
歯科衛生士が専用のマシンを用いて、むし歯の原因となる歯垢や歯石もしっかり除去してくれます。乳児期・幼児期・学童期・中高期によって来院ペースや予防プログラムが異なっておりリスクによってもお子さまひとりひとり専用のプログラムで予防管理をしていきます。

まとめ

お子さんは日々成長しています。それに伴ってお日の中も大きく変化しています。健康で美しい歯並びの永久歯を育成するためには、定期的なお口のチェックは欠かせません。乳歯のむし歯が、永久歯や将来の歯並びまで悪い影響を及ぼすことも少なくないからです。 問題を早期に発見し治療することは、子どもの日の健康にとってとても大切なことです。子供たちのお口の健康を回復し、維持していくことは、小児歯科医の役目です。子ども保護者 、そして私たち小児歯科医がともに歩く定期メインテナンスが大切です。

監修者情報

院長 高橋貴啓(たかはしたかひろ)

経歴

  • 2010年 大阪歯科大学歯学部 卒業
  • 2011年 大阪歯科大学附属病院口腔外科第2講座 入局
  • 2014年〜 兵庫・大阪の開業医勤務
  • 2025年 岸和田おとなこども歯科 開院

〒596-0076
大阪府岸和田市野田町2丁目1-23

instagram 072-493-4618 ご予約・無料相談
072-493-4618 ご予約・無料相談 instagram